バゲット作り、迷走の時期に入っていました

バゲット作り、迷走の時期に入っていました。寒い時期は特別に気をつけなくても毎回いいバゲットができていたのに、室温が30℃をこえるようになってくると途端に不安定になるのは何でだろう。やっぱり暑いからです。

 

パン全般的に言えることですが、どのパンも焼きあがりは日々微妙に違います。酵母の状態、気温や温度。パンチの入れ方、成形のやり方。クープの入れ方など。パンは生き物であり、私は機械ではありませんので多少なりともひとつずつ成形の手つきが変わり、それぞれ表情の違う仕上がりになります。

 

パンのなかでも、バゲットはとくに暑さに弱い印象があります。これは私が日々焼きながら感じている個人的な感想です。シンプルな成分構成で、扱い方によって仕上がり(膨らみ、気泡、クープの開き方)に影響がでるデリケートな生地の場合、温度が高い環境は大敵。すぐ生地が過熟し、膨らむ力を失ってしまうのでしょう。

 

では、ベストなバゲットの製造方法とは?専門書をひっくり返してはめくり、別の本をめくってみては別の本にうつり…。バゲット(フランスパン)といえばドンク。そして二瓶利夫さんの著書です。我が家には2冊あります。せいわやはレーズン酵母エキスを使い、18時間長時間低温発酵させる製法。いっぽう専門書はディレクトロ法で短時間で仕上げる製法が大半。同条件ではないけれどバゲットの生地の扱い方には参考になる。どんな製法であっても最終的には実際にやってみて、目でみて触って、製パンの感覚をやしなう必要があります。専門書はその感覚の道標。

 

営業しながらこねあげ温度、発酵温度、膨倍率、ベンチタイムの時間を変えて、仕上がりの状態をメモをしてさぐりさぐりの焼成。発酵と窯入れのタイミングがパズルのピース同士のようにハマったとき、決まって小麦粉の甘い香りを強めたような芳醇な香りがするんです。

 

暑い時期のバゲットの扱い方が分かってきたような気がします。もう秋に差しかかっているのに。