電源に繋がれたステンレスの塊にはなりたくない

大量のパンをつくりただ売上を伸ばすのと

少量のパンを作り

ひとりの方に深く喜んでもらうのだったら

わたしが選ぶのは断然、後者なのです

 

たとえ大量に製造して

過去最高の売上を生み出せたとしても

ただ機械的に、ただ量産的にでは

嬉しくない

 

大量製造するには

なるべく難しい作業はへらして

早く作らないといけない

そのためには

選ぶ自家製酵母も変わってくるでしょうし

手間のかかる作業を減らし

仕事を全体的に

単純化させる必要があります

 

もちろん

手間がかかるほどよい…

わけではありません

不要な手間はかけるべきではない

 

けれども

楽に、早く、安く

多くのものを作ることに対して

ひたすらに寂しく思うのです

 

目の前にある酵母や生地に

意識がいかなくなる

 

焼きあがったパンの見た目や

気泡ひと粒を観察し

香りをかいで

愛おしむ心がなくなる

 

いつも来てくださる

お客さまのことを考えなくなる

 

それでは、ただ電源につながれ

工場で動き続けている

ステンレスの機械と一緒ではないかと

 

 

自家製酵母は発酵の進み方や

焼きあがりが日々、変わります

 

窯入れするタイミングが

数十分違うだけでも見た目に変化がでる

そんな世界です

 

発酵の進み具合を

ほかの作業をやりながら

目でみて触って確認しては

また作業に戻って

 

ひとつひとつの工程を慎重に

少量でもよいパンを焼く

わたしの中でのよいパンを目指していく

 

とにかく数多くし焼こうとしている

自分に対して積極的にハッとしよう

そう、決意しました

 

今週もたくさんのご来店

ありがとうございました