ひとりきりの工房で息をきらし
休憩を、仮眠をいつ入れようかと考えながら
仕込みをする日が続いていたその時
他人に優しくできない働き方って
どうなのかなと思ったのです
自分のことしか考えていないではないか、と
仕込みに忙しく余裕がなくなると
作業中に夫との会話は少なくなり
気遣いもできなくなる
こんなに頑張っているのに
と、被害者意識になる
量をこなそうとすると
動作ひとつひとつの丁寧さが落ちる
自分を奮い立たせて
何とかやり遂げようとする
仕事とは人のためにするものでしょう
誰かのために作るのでしょう
来てくださる方を思う機会がへってゆき
いつしか何のために作っているのか
その思いも消えてしまいそうで
届ける相手を忘れるくらいの仕事って
はたして、仕事といえるのかな
だから
他人を気遣う余裕さえなくなるような
無理な働き方はやめました
その分、多くのものは作れないけれど
来てくださった方に対して
ひと言、ふた言でも言葉を添えられたり
ありがたい気持ちを表現する
ゆとりも持てるはずだから