2023-01-01から1年間の記事一覧
「私は産業を作り、誰かが働ける場所を作るのはいいことだと思っているよ」 千葉県の南に位置する、千葉県南房総市。フロントガラス越しに、右手には永遠と続いているのではないかと思うくらいの水平線が広がる。波が規則的におきて白い泡になって消える。海…
8月下旬に差し掛かって、やっと夏休みに入ったような気分になれています。 これまで貯めておいた、お客さまからいただいた直筆のお手紙を収納棚から出し、机に広げ、どこに何を貼るかに悩みながら、1枚ずつのり付けをしてノートに貼る余暇。 大小異なるお手…
もう20年も前になる。泣いているあの人を思い出す。 私は9歳だった。泣いているあの人を前にして、その場に立っていることしかできなかった。子どもであることを悔やんだ。なんて頼りなく、無力なのだろうかと思った。私の肉体がそこに存在しているだけで、…
己の無能さ、至らなさに打ちのめされていたい ときには能力が高い人と積極的に関わり または様々な人たちが集まる場に出向いて 出しゃばったプライドをへし折る それは自分のために わたしの上には 想像するよりもはるかに大きく 広大な景色が広がっているの…
もし今、大きな災害が起きたとして ライフラインが止まり、食糧の供給までうまく回らなくなったとしたら 私がやるべきことはもう決まっているパンを無償で提供することです お店の前にテーブルを置きパンを並べて どうぞ持っていってください 困ったときはお…
ひとりきりの工房で息をきらし 休憩を、仮眠をいつ入れようかと考えながら 仕込みをする日が続いていたその時 他人に優しくできない働き方って どうなのかなと思ったのです 自分のことしか考えていないではないか、と 仕込みに忙しく余裕がなくなると 作業中…
大量のパンをつくりただ売上を伸ばすのと 少量のパンを作り ひとりの方に深く喜んでもらうのだったら わたしが選ぶのは断然、後者なのです たとえ大量に製造して 過去最高の売上を生み出せたとしても ただ機械的に、ただ量産的にでは 嬉しくない 大量製造す…
不恰好で発酵があまくて 理想通りのパンが焼けなくても だからといって嫌わずに ひとつずつ可愛がってあげる優しさが 私には必要なのかもしれない 過発酵なもの 明らかに形の悪いものがあれば 自宅用のパンとして転生します でも、パンはパンなわけです 平く…
働き方を変えなければならないのかもしれません 夏の気配が近づいてきました 今週もたくさんのご来店 ありがとうございました 本日、お客さまからクレームをいただきました 残念なお気持ちを責任を持って 受けとめなければならない ショーケース前から飛びだ…
せいわやのライ麦100%のドイツパン ロッゲンブロートは 焼く前日から準備がはじまります サワー種にぬるま湯と ライ麦粉をくわけて増やします このとき大切なのが 仕上がり温度 温度計でサワー種 水温、粉の温度をはかり 決められた温度に仕上がるように 調…
勉強する時間がほしい 海外の製パンに関する本を翻訳して 実際に焼いてみる 配合比率を変えて食べ比べをしてみる 今年のクリスマスにむけて シュトーレンの試作をする ありきたりではつまらない せいわやならではの 想いの詰まった商品を開発する そしていつ…
ただパンを焼いているだけなのに 優しく、親しみを持って接してくれる お客さまばかりなのは なぜなのだろうと パン作りは難しい所もありますが 基本の”型”が決まっているので その通りにやればいい 生地の状態を柔軟に 見極められるようになり パンを焼く「…
「ありがとうございます」 お店を後にするお客さま 1人ひとりにかけるこの言葉に どれほどの重みがあるか きっと 私たち夫婦にしか 分からないことでしょう ひとり製造のため ご用意できるパンには限りがあります 整理券制になりお客さまには 2回も来ていた…
「美味しいものを作ろう」 工房で作業しているとき 気がつけば頭の中は この言葉でいっぱいに でも、そこまで 過剰な美味しさを追求しなくても いいのではないか、とも思います 諦めではありません ザクザククリスピーな食感 とろーりもっちり コーヒーで流…
お客さまから「毎日営業してほしい」 「オープン日数を増やしてほしい」 という声をいただきます ありがたいお言葉です それほど食べたいと 思ってくださっている ですが 自家製酵母を使用したパンの特性と 深い香り、味わいを引きだす製法をとりながら 十分…
たくさんのお客さまが 来店してくださり こんなに買ってくれる なんて、ありがたいんだろう 営業するたびに その気持ちを噛み締めています こんな私が作ったものを 喜んでいただけるのは 不思議な現象であると捉えている 一面もあります いただくお金は 商品…
私は7歳から11歳まで継母から虐待を受けてきた。詳細を語るのは控えるが、種類としては身体的虐待、心理的虐待に分類される。 普段触れるのを避けてきた“虐待の体験”について考える。暴力や暴言などは単なる「その瞬間の出来事」なだけであり、人間の存在価…