もし大災害が起きたときにパン屋は

もし今、大きな災害が起きたとして

ライフラインが止まり、食糧の供給までうまく回らなくなったとしたら

私がやるべきことはもう決まっている

パンを無償で提供することです

 

お店の前にテーブルを置きパンを並べて

どうぞ持っていってください

困ったときはお互い様ですよと

 

高根台という街が好きです

人生のほとんどをこの街ですごし

嫌なことも良いことも

悲しいこともすべてこの地で

 

静かで緑もあり散歩がしやすいものいい

人も素晴らしい

ご家族がいる方も

ご高齢でおひとりの方も

みんなに生きてもらいたい

 

しかしながらよく考えると

オーブンも酵母を保存する冷蔵庫も

ライフラインを絶たれたら

パンを焼くことすらできない

パン屋は意外と弱いのだ

 

頭のなかでめぐる妄想は

いつもここで一旦終わります

 

ライフラインが断たれた時に強いのは

昔ながらの方法

 

パンは薪を熱源とした窯

ミキサーを使わずに手ごね

こうして人類は紀元前からパンを焼いてきた

 

古い海外の製パンの教科書によると

冷蔵庫がまだなかった時代

酵母は地下の冷暗所に保管しながら

使っていたそうです

が、日本の気候は向かないかもしれないですね

 

ライサワー種や

全粒粉由来のルヴァン種を日々扱っていると

とてもパワーがある酵母だと分かります

何があっても生きようとするような

野生ならではの力強さがある

 

極力水分を減らして乾燥させた状態で保管して

使いたいときに種つぎをくり返して使えば

機械がなくても発酵させるほどのパワーまで

持っていけるかもしれない…

という妄想が再び

 

あ、お水のこと考えるの忘れてました

塩はとりあえずストックしておきます