夫婦2人でスケルトンからパン屋開業 1000万円以上はかかるかも

夫婦ふたりでパン屋開業をするために、多方面で準備を進めています。

物件を契約するための申込み、オーブンの選定、厨房機器の会社にいく、内外装工事の見積もりをとる、融資の申し込みや面談など。

せっかくここまで進めましたが、正直な話「ちょっと無理かも」という状態になっています

内外装工事、厨房機器設備、敷金あわせて1000万円以上かかるかもしれないからです。

「何もない」からの店舗作りはお金がかかる

the creperie store photography
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内装工事の見積もりを各業者に問いあわせています。

「内装工事」とは何かというと、床、天井、水道、電気、動力、ガスを整えて「お店として機能できる状態に整える工事」を指します。

借りようとしているテナントが床、壁がないスケルトン状態のため内装工事は必須となります。

現在あがっている見積り金額の平均値をだすと、内装工事だけで700万円でした。

スケルトン。何もないところに施行するので材料費、工事費がかかりやすいようです。コロナの影響もあり、材料費そのものの価格が上がっているという話も業者の方から教えてもらいました。

「スケルトンは自由にお店作りやすい」という印象を持ちますが「何もない」からこそ、費用がかかりやすくなるわけなんです。

床、天井がある。水道、電気、ガスも整っている。という状態だったら、何百万円かは抑えられるかもしれないですね。

<補足>
居抜き物件の方がお得かもしれませんが、一概にそうとは限りません。

たとえば前の借主のものが置きっぱなしになっていたら撤去にもお金がかかります。床、壁が痛んでいて張り替える必要があれば工事費も。

好条件の物件を見つけるのは難しいですね。

これだけじゃありません。パン屋開業の初期費用をさらに圧迫するのが厨房機器です。

厨房機器だけで400万円以上かかるだろうと見込んでいます。内装工事費、厨房機器をあわせて1100万円

いちばん高額なのはオーブン。大きくて2段のタイプだと200〜300万。小型にしてランクを下げてもいいのですが、そうなると一度に焼ける量がへり、効率が悪くなります。

効率が悪くなれば売上の減少につながるかもしれないので、オーブンが小さすぎるのも懸念材料です。

2番目に高額なのはホイロ、ドウコンディショナーと呼ばれる厨房機器。パン生地を温度管理する機器です。温めて発酵させるのがホイロ。冷却や温めまで自由に管理できるのがドウコンデジョナー。サイズによって変わりますがどちらも100〜200万円。

そのほかにミキサー。業務用で手頃なもので40万円〜。冷凍冷蔵庫、エアコン、ラック、2層式シンク、食洗機などなど。細かい機器をあわせると100〜150万は必要になります。

スケルトンからの開業 初期費用を下げるには?

a stainless table in the kitchen
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内装工事費、厨房機器で約1100万円。そのほかに外装工事も発生します。

100万円と仮定しても合計1200万円。どうにか価格を下げられないのでしょうか。

初期費用をおさえる方法はいくつかあるので、考えをメモがわりにまとめておきます。

見積もりを取りまくって比較
→リフォーム会社、建築事務所、デザイン事務所など。業者によって見積り金額が数百万単位で変わります。面倒くさがらず、複数の業者から見積りをとって比較するのは必須。

DIYできそうなことはする、既製品を使う
→DIYできそうな部分は自分でやると、その分価格はさげられます。例えばレジ台作成・設置を業者にお願いすると数万〜数十万はかかるはずです。DIYで補えればその分、費用がうきます。

DIYができなくても、既製品を使うのもあり。棚やレジ台など、ニトリやIKEAで代用できそうなものがありました。

物件をかえる、居抜きをする
→スケルトンで高額な費用がかかるなら、思いきって物件を変えるのも手。パン屋の居抜き物件は超レアケースですが、あれば切り替える。

もしくは床、天井、電気、水道、ガスが整っている物件に変えてみるのもあり。給湯器があるか、フードダクトはつけられるorついているかも要チェックポイントです。

中古厨房機器を利用する
→中古にすれば、新品で購入するよりも数十万円単位で安く入手できます。ただ劣化しているわけなので、購入した後のトラブルが発生する可能性も高まります。修理に費用がかかり「新品で買っておけばよかった」となるかもしれません。

なにを中古で、新品で購入するかの選択は慎重に。私の場合はオーブンは絶対に新品と決めています。スチーム発生機能がついているオーブンは故障しやすいと、オーブンの会社の方から耳にしました。

操作パネルにあるコンピューターは水気を嫌うそう。また、オーブンの寿命は10年もったらよい方だとも。あまりにも老朽化している中古オーブンは危なそうですね。

ドウコンディショナーは中古を購入する予定です。50万程度のミキサーを見つけたので、こちらは新品を検討中。物件は使える電力が決められていますので、単相か三相かも要チェックです。

オーブンを小型にする
→パン屋にとって要となるオーブン。あまりしたくないのですが、どうしても費用が圧迫されるなら小型のオーブンにランクを下げるのも手。サイズが小さくなれば価格もさがります。

幅1680〜1380mmで2段、3段のオーブンが200〜300万。幅800〜1000mmで1段のオーブンになると50〜80万。これを2台導入しても100〜160万となり、数十万単位で削減できます。

これからのこと

「商売をはじめるなら、初期費用は抑えられるだけ抑えたほうがいい」という話は、ビジネスにあまり詳しくない私でもよくわかります。

融資をうけ、高額な初期費用をかけてオープンさせるのは可能。でも、お店は続けられなければ意味はないのです。お店をやるほど赤字になっては本末転倒ですし、初期費用をかけるほど借金がふくらみ返済に苦しくなるだけ。

しかも、従業員を雇う予定はなく夫婦ふたりのお店です。パン職人はわたしだけ。つまり借金を返せるかは"私"にかかっているのです。作れる量にも限りがある。そんなお店に高額な費用をかけても、ね。

派手じゃなくていい。広くなくていい。地味でいい。こじんまりした、町にひっそりと馴染むパン屋さん。原料にこだわって、お子さまから大人まで安心して口に入れられるものを作る。

実現するのがこんなにも難しいだなんて。

高額な見積もりにおじけずいている私ですが、開業できない可能性も頭に入れながら、開業に必要なタスクをこなす。近々オーブンの会社でテストベイクをする予定です。同時に、パンを焼きつづける。

今はいろいろな可能性、方向性を考えながら行動して、自分の技術を高めていく時期なのだと思います。