日々作り出すもので誰かの不足を補えたら

ただパンを焼いているだけなのに

優しく、親しみを持って接してくれる

お客さまばかりなのは

なぜなのだろうと

 

パン作りは難しい所もありますが

基本の”型”が決まっているので

その通りにやればいい

 

生地の状態を柔軟に

見極められるようになり

パンを焼く「よい感覚」を掴めれば

あとは自然と身体が動きます

 

多分、誰でもパンは焼けるはずなんです

 

自家製酵母となると

上記にくわえて

酵母の管理が必要になります

 

日々のお世話や

製造量にあわせて

増やしたり減らしたり

 

酵母自体に元気がないと

よいパンが焼けないので

目に見えないぶん

いまだに難しいなとは思います

 

 

「パン作りを

ライフワークにしたいのでやめます」

といって、前職をやめてきました

 

私にとって今の仕事は

生活の営みそのものであり

当然のことなのです

 

それに対して

労っていただけるのは

子供に対しての褒め言葉を

大人になってから言われるような

照れくささと喜びが

混ざりあった気持ちになります

 

でも、改めて思うと

ライフワークで

役に立てているなら

とても幸せなことですよね

 

私は目立たなくていいんです

私の気配はパン屋にはいりません

作ったものが主役だからです

 

材料にこだわった

無添加のパンを食べたいけれど

忙しくて焼く時間がない

 

家族にパンを食べさせるなら

よいものを食べてほしい

 

忙しい毎日

お休みの日は特別なパンで

食卓を華やかにしたい

 

お作りしたもので

皆さんの不足を少しでも

補えていたらいいな

 

私だけがいる工房で

陰ながら思っています