こんにちは、きれいに痩せたい女性には糖質をとってほしいseinaです(@st_0905)
糖質は太るからと、ついつい減らしていませんか?
ご飯、しっかり食べましょう。なぜなら糖質不足になると、
- 筋肉が減り、太りやすい身体になりやすい
- エネルギー源が枯渇すると代謝が落ちる
- 運動効果が得られにくくなる
- ストレス太りが起きるかも
痩せにくく、太りやすい体質になる可能性が大だから!
きれいに痩せるためには「糖質」が必要です。
糖質とはどんな働きがあるのか。糖質不足になるとなぜ痩せにくく太りやすくなるのか。
これらを解説します。
糖質は身体を動かすエネルギー源 筋肉の分解をおさえ回復を促す
糖質は体内でどのような役割をはたしているのでしょうか。
まず、食事から摂取した糖質がどのように分解され、吸収されるのか。その仕組みを解説します。
1.食事から糖質を摂取
↓
2.消化吸収
↓
3.小腸でグルコース(ブドウ糖)に変換
↓
4.血中にグルコースが取り込まれる(血糖)
↓
5.血糖値の上昇
↓
6.膵臓からインスリンが分泌され、血糖値を調整
↓
7.インスリンが栄養を細胞に取り込む
血中に取りこまれたグルコースを「血糖」と呼び、その濃度のことを「血糖値」と呼びます。血糖値をあげすぎないように調整するのがインスリンの役目。
そしてインスリンには糖質、タンパク質、脂質を細胞に運びやすくする作用を持っている「合成ホルモン」として知られています。
このインスリンの働きによりグルコースは筋肉、赤血球、脳、肝臓など身体のさまざまな部分に分配されます。肝臓に運ばれるのを、肝グリコーゲン。筋肉に運ばれるのを筋グリコーゲンといいます。
身体のいたるところに運ばれたグルコースは、身体を動かしたり、考えたり、栄養を循環させたり、筋肉や脂肪を合成するなど。身体を機能させるのに必要なエネルギー源となります。
また、インスリンが分泌されて血糖値が高まると、普段は骨格筋内細胞にある、GLUT4(グルットフォー)と呼ばれる輸送体が活動を開始。GLUT4には糖を体内に取りこみやすくする作用があるため、運動によって消費した筋グリコーゲンを補給し、回復をうながす重要な働きもあります。(*3)
しかし、
糖質があまったら体脂肪になるんでしょ?
血糖値をあげてはいけないんでしょ?
糖質制限ブームの影響もあわさり、
糖質=太る
というイメージが、ダイエット中の女性に定着しているのではないでしょうか。
でも、糖質は身体にとって重要な栄養素(三大栄養素はどれも欠かさず必要ですが)
もっと心配するべきなのは、糖質不足による身体への弊害です。
糖新生が起こり筋肉がへる エネルギーを消費しにくい太りやすい身体へ
私たちの身体を動かすエネルギー源は、主に「糖質」というお話をしました。
その糖質が不足すると、身体は何からエネルギー源を作るのでしょうか?
エネルギー源が枯渇すると、自らの筋肉をアミノ酸に分解し、糖に変換してエネルギー源の代用にするとわかっています。
この現象を糖新生(とうしんせい)と呼びます
「身体にたっぷりついている体脂肪はエネルギー源にならないの?」と、思うかもしれません。
確かに、ゆるやかな有酸素運動時では、体脂肪をエネルギー源にする割合が高まると言われていますが、強度の高い無酸素運動時は、糖質を優先的に使う割合が高いとわかっています。
体脂肪は糖質にくらべ、エネルギーに変換するのに時間がかかり、間にあわないためです(*3)
そのため、糖質を必要とする運動時にエネルギー源が枯渇している場合、筋肉を分解してエネルギー源を作り出す、という現象が起こります。
筋グリコーゲンが減少した状態でトレーニングを行えば、骨格筋のタンパク質を分解することで得られるエネルギー源として利用するようになり、筋肉作り、身体作りの面からもマイナスとなる
引用元:スポーツ栄養学 運動後のグリコーゲン回復より p,86-87より
糖質不足の状態で運動する。または運動後に栄養をしっかり補給しない。
糖質だけではなく、そもそもカロリーや栄養不足の状態で運動をすると、どんどん筋肉が分解されて減ってしまう、という最悪の事態が起きるとも考えられます。
また、私たちが生活の中でもっとも消費しているカロリーは「基礎代謝」です。基礎代謝のうち22%をしめているのが「筋肉」と言われています(*1)
筋肉がへれば基礎代謝がへり、消費できるエネルギー自体も減ります。つまり、痩せたくて頑張っているのに、逆に太りやすい体になってしまう。
エネルギーが消費しにくい「燃費の悪い身体」になる可能性も!
エネルギー源がなくなり代謝が落ちる 運動効果も半減
糖質は身体のあらゆる部分で消費されています。
血球中には20gの糖質を必要とし、体重70kgの成人男性の脳は1日120gの糖を消費していると言われいます(*6)。また、栄養を体内に行きわらせたり、運動のエネルギー源としても糖質は使われています。
「糖質で生かされている」と、いってもいいかもしれません。
なので糖質量が減れば、糖質が必要な部分への分配量も減ることになり、生きるために必要な身体の営みのすべての機能が落ちるとも考えられます。
つまり「代謝が落ちる」です。
また、糖質は身体を動かすエネルギー源ですので、そもそも燃料となる糖質が不足していればガス欠状態となり、身体は動きません。よって、運動のパフォーマンスが落ち、運動効果が思うように発揮できない恐れも。
代謝が落ちるに関連したお話をすると、「省エネモード」という言葉を聞いたことがないでしょうか。
省エネモードとは、糖質のみに限らず、栄養やカロリー不足がつづくと身体が飢餓感を感じ、カロリーを消費しにくい状態になる現象のことを指します(*2)
極端な食事制限を繰り返すことで栄養不足が続くと、身体の活動エネルギーがつきる前に脳が反応して交感神経反応を低下させ、消費エネルギーを節約しようとするシステムが働きます
引用元:ダイエット検定2級テキスト p,72より
無理な食事制限をするとエネルギー消費を抑えようとする作用は働きやすくなるので、注意が必要です。
ストレス太りが起こるかも
本当は糖質を食べたいけど、太るから我慢しようとストレスを感じている場合。
「ストレス太り」を起こす可能性もゼロはありません。
ストレス太りの犯人は、ストレスホルモンである「コルチゾール」です。
なぜストレス太りが起きるのかというと、
- 筋肉をアミノ酸に分解し、糖質を作り出す
- 体脂肪も分解する
- 糖質によって血糖値が高まる
- インスリンが出て分解された糖質も脂質も取り込みやすくなる
- 食欲を増加させる作用もある
という仕組み。
本来コルチゾールは、あらゆる状況に対処するために必要なホルモンです。
しかし、急なストレスにより過剰に分泌されると、体内にある筋肉を分解し糖質をつくりだし、脂肪を分解。身体は分解モード(異化作用)になります(*5)
そして血中に糖と脂質が流れこみ、体内では「高糖質+高脂質」の状況へ。糖が血中にあるとインスリンを分泌し、糖質も脂質も取り込みやすい状況にする。という「自ら太りやすい状況」を作り出しているのです。
消費できるようになればいいのですが、問題はストレスによって「インスリン抵抗性」が起きている懸念です。
(インスリン抵抗性はストレスだけではなく、遺伝、肥満、運動不足、脂質過多によっても起こると言われています)
健康な状態なら、血糖値をあげすぎないように調整するためにインスリンが分泌され、インスリンの働きによって筋肉や肝臓などに糖が運ばれます。
インスリン抵抗性とは、インスリンへの感受性がさがり、インスリンが効きにくい状態のこと。
インスリンがうまく働かないと体内に糖を取り込みにくくなり、血中に糖がたくさん残されてしまい「高血糖」になります。
消費できず行き場のなくなった糖は、脂肪として蓄えられやすくなる、ということも。
カロリー制限しすぎ、運動しすぎ、我慢のしすぎではないですか?
痩せようと頑張ろうとすると、身体の中ではこのような事態が起きているかもしれません。
必要な糖質量は運動レベルによって変わる 脂質を抑えて上手く付きあおう
糖質不足による弊害についてお話ししてきました。では、どのくらいの糖質量をとればいいのでしょうか。
厚生労働省の「炭水化物の食事摂取基準」によると、摂取カロリーのうちの50〜65%を炭水化物からとりましょう、と記載されています。
ですが、個人の運動量によって糖質の摂取量は変わると考えています。
スポーツ栄養学の中で「トレーニング量別の糖質推薦摂取量」の記載がありました。どのくらい糖質を摂取したらいいのかよい基準になると思いましたので、載せておきます。
トレーニング量 運動内容 体重1kgあたりの推薦糖質摂取量 Light(軽め・少なめ) 低強度の運動もしくは技術練習を実施する場合 3〜5g/kg/日 Moderate(中程度) 1日1時間程度の運動を実施する場合 5〜7g/kg/日 High(多め) 1日1〜3時間の中〜高強度の運動を実施する場合 6〜10g/kg/日 Very High(とても多い) 1日少なくとも4〜5時間の中〜高強度の運動を実施する場合 8〜12g/kg/日
アスリートではない一般人は「Light(軽め・少なめ)」に当てはまるのが大半ではないでしょうか。
体重60kgであれば、1日に180〜300g程度の糖質量が必要になります。
ただし「糖質をとればそれでOK!」ではないので注意。
糖質をとる条件は2つ。
- 運動をして消費する
- 脂質を抑える
です
糖質は身体を動かすエネルギー源。どの栄養素も同じですが、動かずにいると余ってしまい、体脂肪として蓄えられやすくなります。
活動量が少ない日は、糖質量を減らしてコントロールするのもあり。
とはいうものの、糖質はエネルギーとして消費されやすい性質を持っているため、そこまで心配ご無用。生理学的にみても100g糖質を余らせて体脂肪として合成されるのは、25〜30g程度です(*4)
動けば問題ないですし、多少食べすぎてもその程度の体脂肪しか合成されません。
もっと気をつけていただきたいのは、脂質のとりすぎ。
糖質と脂質が体内にたくさんある状態は、糖質を摂取したときに分泌されるインスリンにより、脂肪も蓄えやすくなります。それだけではなく、脂質を余らせたら、そのまま体脂肪として合成されます(*4)
糖質そのもの体脂肪へ変換する効率が悪く、100グラム余っても25グラム程度しか体脂肪にならないのに対し、脂質は100グラム余ればそのまま100グラムが体脂肪になります
引用元:糖質をやめられないオトナ女子のためのヤセ方図鑑 p,49より
なので糖質をとるなら、脂質は抑えると太りにくくなる。かといって脂質もホルモンを作る原料のため、減らしすぎるとトラブルが起きる可能性も。
女性であれば「1日あたり30〜40g」はとったほうがよい、とされています。
糖質と脂質。うまくコントロールしながら、美ボディを目指しましょう!
▲減量中の摂取カロリーとPFCバランスの計算方法はこちらの記事をご覧ください
この記事の補完に使用した参考文献
*1 ダイエット検定1級
[itemlink post_id="17370"]
*2 ダイエット検定2級
[itemlink post_id="17371"]
*3 スポーツ栄養学 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる
[itemlink post_id="17372"]
*4 糖質をやめられないオトナ女子のための痩せ方図鑑
[itemlink post_id="17373"]
*5 コルチゾールと脂質代謝