これまで、過食克服に関する記事を書いてきました。
これまで公開した記事をおさらいすると、
〜(1)過食の始まりから克服まで〜
〜(2)食事・睡眠・運動を整えよう編〜
〜(3)カロリー不足×加工食品は最悪の組み合わせ編〜
〜(4)過食克服したいなら我慢はやめよう編〜
です。
第5弾となる今回は、《過食を克服をするには、一体どんな食事にすればいいの?》がテーマ。
色々なダイエット方法や健康法にまどわされ、何を食べたらいいのか分からなくなってしまう方もいると思います。
でも、世間の情報にまどわされなくていいんです。
過食克服に必要な食事はシンプルで、身近にあるものでOK。続かなければ意味はありません。横文字が並んだ、スーパーフードも必要ありません。
今一度、「日本人の心」に戻ってもらいたいと思います。
ではさっそく、11年間過食と戦った筆者が、過食克服に必要な理想的な食事スタイルについてお伝えします。
「一汁三菜」は過食克服への理想的な食事スタイル
ダイエットをはじめるとき、深く関係してくるのは数値です。
どれだけ痩せたかを知るには、体重や体脂肪率を測るのが鉄則。食事であれば、基礎代謝や消費カロリーに適した、摂取カロリーや三大栄養素の量です。
しかし、カロリーはどのくらいで、糖質は何グラム、タンパク質は何グラム...と数値化してしまうと、数字が苦手な方にとってはストレスに感じることもあります。もしくは完璧主義な方の場合、1グラムでも誤差が出ないように「完璧にやらないと!」と、負のスイッチを刺激してしまうかもしれません。
ストレスや完璧主義も、過食を引きおこす可能性があります。なので、あえてザックリと、過食克服に有効的な食事スタイルをお伝えします。
それは... 一汁三菜です!
一汁三菜とは、
- ご飯
- 味噌汁
- 主菜(タンパク質を含んだ料理)
- 副菜2品
上記がならんだ、食事スタイルを指します。
なぜこの食事スタイルがおすすめなのかというと、以下の理由があります。
一汁三菜はなぜ過食克服によいのか? 5つのメリット
過食克服と一汁三菜には、どんな繋がりがあるのでしょうか? また、どんなメリットがあるのでしょうか?
品数が多いこと、和食であること、食事の型が決まっていること。
一汁三菜にあるこれらの条件により、過食克服に対する5つメリットが生まれます。
①美味しい
私が出会ってきた人の中で「ご飯と味噌汁がキライ」と言う人を見たことがありません。つまり、一汁三菜は、日本人の大多数が共通して受けいれられ、「美味しい」を感じられる食事スタイルだと言えます。
②栄養が取り入れやすい
一汁三菜の食事スタイルをマネすると、自然と栄養とカロリーを摂取できます。
③食欲を暴走させにくい
一汁三菜にすると、和食中心になります。そうすると、ドーパミンがが分泌して食欲を暴走させやすい、ジャンクフード、加工食品、ウィンナー、ソーセージ、ピザ、パスタ、などと、距離を置くことができます。
④満腹感、満足感を感じやすい
ご飯、味噌汁、主菜、副菜2品と品数が多いので、胃袋に入る物理的な満腹感。また、視界から入る目からの満足感を得られやすくなります。
⑤続けやすい
食事スタイルの型が決まっているので、「何を食べようか」と考える負担が減ります。その負担の軽減が、継続につながります。
以上が、5つのメリットでした。
しかし、「主菜や副菜2品を用意するなんて大変!」と思われた方もいるかもしれません。
ですが、レシピ本に載っているような素晴らしい料理を毎回作らないといけない、というわけではありません。手を抜いたっていいんです。
主菜なら、鶏もも肉に塩をふり、焼くだけで十分。もっと簡単にしたいなら、目玉焼き、ゆで卵を。ツナ缶、サバ缶に頼ってもよし。
「副菜を2品なんて作れない!」という場合は、納豆とキムチにする。これで2品できました。もしくは、キュウリやトマトを切って並べるだけでもOK。
一汁三菜を、そこまで難しく考えなくても大丈夫です。
1番大切にしていただきたいのは「過食を治すために、食事環境を整えよう」という心がけです。
「まごわやさしい」も意識するとヨシ
これまでの過食に関する記事の中で、「過食が止まらない、予防するためにはまごわやさしいが大切ですよ!」という話をしてきました。
【関連記事】
・過食が止まらない時の対処法 今すぐに実践できる食事方法まとめ
・〜ワンランク上の過食対策〜 過食を防ぐ食事方法と食材選びのポイントとは?
▲この記事では過食の対処法のひとつとして、「まごわやさしい」をオススメしています
「まごわやさしい」
誰でも一度は耳にしたことのある言葉だと思います。
簡単に解説すると、ビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質といった不足しやすい栄養素が含まれているのが、「まごわやさしい」。バランスよく栄養がとれる食材の頭文字が並んでいます。
「まごわやさしい」の具体的な食材はこちら↓
ま...豆類 納豆、豆腐、ミックスビーンズ
ご...ごま(種子類)アーモンド、ピーナッツなど
わ...わかめ(海藻類) ひじき、もずく、昆布、海苔など
や...野菜(緑黄色野菜)人参、ブロッコリー、ニラ、トマトなど
さ...魚(魚介類)サバ、鮭、エビ、タコ、イカなど
し...しいたけ(キノコ類) えのき、しめじ、舞茸など
い...いも ジャガイモ、サツマイモ、里芋など
ブログでくり返しお伝えする理由は、食事の際に「まごはやさしい」を意識することで、栄養バランスが整えられる魅力があるからです。その働きにより、栄養不足による過食を抑えることもできます。「まごはやさしい」を食事に取り入れつづけることで食欲が安定すれば、過食克服にだってつながります。
という理由から、今回もお話しさせてもらいました。
勘違いしてはならないのは、「まごはやさしいを意識するとヨシ」なので、毎食完璧にする必要はありません。意識するだけでOK。何か食べそこねたって、どうにかなるわけではないのでご安心を。
[itemlink post_id="11377"]
[itemlink post_id="11378"]
[itemlink post_id="11379"]
▲過食に悩んでいる方に対して食事療法の大切さを知ってもらうには、いつも森拓郎さんの著書をオススメしています。先ほど紹介した「まごわやさしい」についても解説があります。ぜひ、プロからの知識も取り入れてみてください!
一汁三菜+まごわやさしいの参考例
私の普段の食事をもとに「一汁三菜+まごわやさしい」の参考例をお見せします。
とっても生活感があり、「まごわやさしい」をコンプリートできていない食事もありますが、その点はご容赦くださいませ。
食事メニューの紹介とともに、どれだけ「まごわやさしい」をクリアできているかを検証してみます。
<メニュー>
ご飯、納豆、鮭の塩焼き、ほうれん草と卵の炒め物、ワカメとネギの味噌汁
ま→納豆
ご→×
わ→味噌汁
や→ほうれん草、ワカメとネギの味噌汁
さ→鮭
し→×
い→×
一汁三菜なのはいいけれど(ほうれん草と卵の炒め物は、副菜1品にカウント)、しょっぱなから「まごわやさしい」がクリアできず。
結構、むずかしいですね。
<メニュー>
玄米、具たくさん味噌汁、マグロの刺身、ニラ玉
ま...×
ご...×
わ...×
や...ニラ、具たくさん味噌汁
さ...マグロ
し...×
い...×
おぉ、この日は酷い。2項目しか「まごわやさしい」がクリアできていません...
<メニュー>
玄米、具たくさん味噌汁、冷しゃぶサラダ、鮭の塩焼き、梅干し、キムチ
ま...×
ご...冷しゃぶサラダのドレッシングにオリーブオイル
わ...具たくさん味噌汁のわかめ
や...具たくさん味噌汁、冷しゃぶサラダ
さ...鮭
し...×
い...×
「ご」をやっとクリアできた日。ごま=種子類なわけですが、カロリーオーバーする原因になるので、普段はほとんど食卓に登場しません。
<メニュー>
寝かせ玄米、具たくさん味噌汁、だし巻き卵、金目鯛の干物、大根おろし、納豆、パプリカのマリネ
ま...納豆
ご...×
わ...具たくさん味噌汁
や...具たくさん味噌汁、大根おろし、パプリカのマリネ
さ...金目鯛の干物
し...具たくさん味噌汁
い...×
この日は「まごわやさしい」を5つクリアできました! やった!
検証してみると、私の苦手な項目は「ご(種子類)」、「し(きのこ類)」、「い(芋類)」ですね。
種子と芋類はカロリーを増やしやすいので、様子を見ながら取りいれていきたいなと思います。
外食時、忙しい時はどうすればいい?
この記事を読んだ方の中には、

食事を支度する時間なんかない!
という方も、一定数いるでしょう。
仕事や学業が忙しくて、わざわざ一汁三菜を用意したり、まごわやさしいを意識している暇も余裕もないと。
そういう場合は、外食やコンビニ食に頼ってください。1食、適当になっただけでも死にやしません。
大切にしてもらいたいのは、なるべく『一汁三菜+まごわやさしい』に近くよう心がけること。お菓子を1袋食べる、菓子パンを食べまくる、適当に食事をするではなく、《食事を整える》に重きを置いてもらいたいのです。
外食なら、定食を選べば一汁三菜になります。お魚を選べば「まごわやさしい」の「さ」がクリアできます。サイドメニューに納豆、ひじきの煮物などをチョイスすれば十分でしょう。
コンビニ食なら、おにぎり、サラダ、サラダチキン、カップのお味噌汁、納豆巻きなど。「一汁三菜+まごわやさしい」に近い食材は、探せばいくらでもあります。
できる範囲でいい。
「何を食べるか」が重要です。
過食克服は急がば回れ ゆっくり確実に治していきましょう
過食克服をするには、具体的にどのような食事をとったらいいのか、についてお話ししてきました。
長くなりましたので、この記事の要点をまとめます▼
・過食克服への理想的な食事スタイルは「一汁三菜」
・「まごわやさしい」も意識するとヨシ
・ただし、毎食完璧にする必要はなし
・外食やコンビニ食なら「一汁三菜+まごわやさしい」に近づけるだけでOK
・「〇〇を食べてはいけないルール」は「世の中に食べてはいけないものはない」と考えることで緩くなる
また、過食に悩んでいる方は、「白いご飯を食べる=太る」と思い込み、引っかかるところがあるかもしれません。
本来なら、白いご飯を食べたからといって、太るわけではありません。太るか痩せるかの前提は、カロリー収支が関わってくるからです。「消費カロリー>摂取カロリー」の状態になっていれば、白いご飯を食べながら痩せることも可能です。
でも、どうしても「白いご飯を食べる=太る」という思い込みがある。そして、「ご飯は食べてはいけない!」というルールが根強くある場合、食卓に登場するたびに罪悪感を抱くでしょう。
今回の記事では一汁三菜を例にあげましたが、ツライ場合は、無理して食べなくても大丈夫。ただ、伝えておきたいのは、世の中に食べてはいけないものはない、です。
「〇〇を食べてはいけないルール」は、きっと痩せたい気持ち、太る恐怖心からできたものですよね。私はかつて糖質制限をして68kg→58kgになった経験がありますが、その当時は白いご飯が悪者にみえて、食べられなくなってしまいました。(しかもその後、糖質制限がきっかけてリバウンドをくり返すように...)
現在はこの記事で写真をのせたように、1日1回は食べています。それは、時間をかけて白いご飯(糖質)は悪ではない。「世の中に食べてはいけないものはない」と、思えるようになったのも理由のひとつです。
時間がかかるかもしれません。でも、食に対する考え方が変われば、あなたを縛りつける苦しみは次第に溶けていくはず。
大丈夫、食事を楽しめる日は必ずきます。今、私がこうして楽しめているように。
▲この記事の続きはこちら