ハードパン・ドイツパン専門店せいわやの店主です。日本列島をねぶるようにしてゆっくり進行し、温帯低気圧に変わった台風10号の影響で8/23〜9/5まで畑に行けませんでした。ほぼ2週間ぶりの畑です。
50坪の畑を借り、手にまめを作りながらクワと立ち鎌の2本だけで雑草で覆われていた土地を整えてきた3ヶ月。
営業の疲労が蓄積した身体と腰。貴重な休みの早朝に行く灼熱の畑。農作業が終われば工房に行き、来週の仕込みがはじまる。
やっと、作物を植えられる環境になってきました。
自然発生した放置・無農薬・無肥料の西瓜は無事でした
前に借りていた方が残した西瓜がどのようにして残り、今年の夏に芽吹いたのでしょうか。
7月下旬、ハウス内で自然発生していた西瓜を発見してから1ヶ月と少し。
存在に気がついた時には雑草の隙間から悠々とツルを伸ばし、実をつけていたものですから、摘心はほとんどせず(伸びすぎた部分をカットする程度)、水やりも2回だけ。
自分で苗を植えたわけでもなく、突然現れた副産物。放置していたので「育てていた」とも言い難いけれど、成長を見守っていました。
ハクビシンに食べられて滅茶苦茶になっている西瓜を想像する日々。台風で飛んだりしていないだろうか。でも、無事に成長してくれていました。
2個、収穫できそうなものがあったので採りました。もう1つ成長途中の実があり、収穫はもう少し先になりそうです。
以前、西瓜が育っている付近で草刈りをしていると「小玉スイカ」と書かれた苗のポットが地中から出てきました。この畑で作物を育てていたのは2年以上前です。前に借りていた方が育てていた西瓜が実り、放置されて土にかえり、種から芽吹いて…をくり返してきたのだろうか。
誰にも見つからずに生命を育んできた、この丸い玉の一生に思いを馳せてしまいます。草刈りをしているだけなのに収穫が楽しめるなんて、前の方に感謝しなければならないですね。
と思いきや、2つ収穫したうちの1つは割れていました。熟しすぎたのかもしれません。
割れてしまっては食べられないので、細かく刻んで土の中へ。堆肥になってもらいましょう。
持ち帰れた子。おお、食べ頃だ。
赤じゃが、ビーツ、クリムソンクローバを植える
夏の暑さが落ち着いてきた9月。労力少なくできる秋まきor秋植えの農作物は何だろう。
考えてみたのがこちら。
赤じゃが(アンデスレッド?)
→草刈りをしている最中に出てきた皮が赤いじゃがいも。前の方が育てていたものが放置され、繁殖していました。
割ってみると白っぽいので多分、アンデスレッドではないかと思います。秋に植えると芋は大きくなりにくいそうなのですが、今の土壌でどのくらいのものができるのかテストも兼ねて植えてみます。
デトロイトダークレッドビート
→ボルシチなどに使われる濃い赤色をしたビーツです。種屋さんで無農薬・無化学肥料で栽培された、自家採種可能なビーツの種を購入しました。
キッチンペーパーに包んでから水に浸し、冷蔵庫に入れて数日ふやかしたところ、いくつか芽が出ている種も。
クリムソンクローバ(緑肥用)
→春まで使わないエリアを有効活用できないかと考えた時に、緑肥用の植物を育てればいいんだ!と思いつきました。クリムソンクローバはマメ科の植物で、窒素固定作用があり土をいい状態にしてくれます。しかも春に咲く赤い花が美しく、景観の向上にも適しています。
(余談)ほかにも緑肥として有効で窒素固定作用のあるのがヘアリーベッチ。9〜10月が蒔き時。畑を囲うように種まきしようと思います。ジャンボニンニクの植え付けも次回する予定です。
赤 ビーツ(無農薬・無肥料/10cmほど耕す)
青 アンデスレッド(無農薬・無肥料/耕さないバージョン)
緑 アンデスレッド(無農薬・無肥料/深さ20cmほど耕したバージョン)
畑を耕さず、農薬も肥料も使わず、雑草さえも有効に使う育て方に興味があります。(土壌のPH調整として石灰はOKとします)なるべく労力を減らし、農薬や肥料のコストをかけず、自然に生えてくる雑草や緑肥植物で堆肥をまかない、安心して食べられる野菜ができたら個人的に魅力的なのです。堆肥を畑に運ぶのって大変なんですよね。重たいし、管理も必要ですし。
とはいえ、畑をよく耕し、有機肥料なり化学肥料なりを加え土をよくし、野菜が育ってきたら追肥をして育てるのが一般的です。私も自然とそう思ってしまいます。
興味があるからといって、野菜を育てたと言えるのは小学生時代のミニトマトくらいの初心者がいきなり不耕起栽培(畑を耕さない育て方)を試みて失敗するのも悲しい。
データ収集の一環としてアンデスレッドには「耕すバージョン」と「耕さないバージョン」の2パターンを作り、差をつけてみました。
この畑は2年間、放置されてきました。しかし、土の表面には刈った草(有機物)がずっと敷き詰められてきた状態で、微生物が働き土壌の環境は意外といいのではないかと思います。自然に西瓜が発生し、カボチャも伸び放題なわけですから。
クリムソンクローバを植える部分の土を浅く掘り、ぱらぱらと適当に種まき。土を被せて、草マルチをひいて終わり。簡単。
おっと、ビーツにオーガニック卵殻石灰を与えるのを忘れていました。種まきした後に慌てて石灰をまく図。これだから初心者は。ビーツは酸性の土では上手く育たないそうで石灰多めがいいらしいです。
2週間で1m以上育つカボチャの剪定とシソの収穫
「カボチャの成長速度は早い」を身をもって体験しています。
ヒョロリと伸びたツル、2週間前にはありませんでした。1mどころか夫の身長180cmくらいはありそうです。日割りすると1日あたり13cmは伸びていることに。どこまでも伸びていきそうな勢いなのでザックリ剪定します。
お隣さんの畑に侵入しているツル。2週間前にカットしたばかりなのに。お邪魔してすみません。
本来なら不要な実は摘心したり、通気性を良くするために雑草を取りたいところなのですが、蚊が大量発生していてカボチャの内部に踏み込めません。服の上から刺してくる、虫除けが効かない強力な蚊がまとわりついてくるのです。湿気が多いから大量発生しているのでしょう。
次回、蜂を駆除する人のような格好で挑みたいと思います。
木のように成長した青シソ、赤シソを収穫。青シソはすぐ黒くなるのでいい消費方法はないでしょうか。醤油漬けとか?
今日もお疲れさまでした。