ハードパン・ドイツパン専門店 せいわやの店主です。
週2回営業、週1回の予約販売・通販をする傍ら、とてもよいご縁に恵まれまして、50坪の畑をお借りすることになりました。農業、はじめます。
(予約販売・通販はお休みすることもあります。月によって営業内容が変わることが多いため、インスタグラムの営業日カレンダーをご確認ください)
ここではインスタグラムで文字数が足りずに書けないことをつらつらと書く、自家製酵母のハードパン屋をしながら農業をする店主の備忘録のような場所です。
小麦やライ麦を自家栽培して、石臼挽き製粉機で熱を加えずにゆっくり挽いた粉で自家製酵母パンを作ってみたら、さぞかし面白いだろうなと。
農業をしてみたい気持ちが頭の片隅にはずっとあったものの、パン屋の仕事に追われる毎日で実践できずにいました。
「まとまった時間がないと農作業はできない」と思っていましたが、案外できてしまうものですね。
営業翌日の朝に畑に行くなど、オープンしたての2023年頃は考えもできなかったことです。休日は大体ベッドから起き上がれないか、体調が悪いか、身体のどこかが痛いか。
畑に向かう体力が残されているのは、有難いことにせいわやで働いてくれているスタッフさんが増え、日々サポートしてくださっているおかげでしょう。
草刈りをして堆肥化を進める
畑をレンタルしてから2回目の作業。今日のテーマは草刈りと、畑の一角に積んである雑草を腐敗に偏らせずに堆肥化を進める、でした。
ある本の中に「刈り取った雑草に米糠と灰をまいて混ぜておき、体積が小さくなるまで積んでおくといい」と情報を入手し、畑に向かう途中にあるコイン精米で無料米糠を入手。灰はあとでいっか。
1週間ぶりに畑に行くと、前日の雨のせいで積んでおいた雑草が濡れてしまっている。過湿にさせすぎず、そこそこ乾いた状態で体積を小さくさせたいのですが、今の優先順位としてはとにかく草刈りなので、米糠をまいてざっくり混ぜ混ぜして放置することに。
隣の優しいお父さん
隣のお父さん。畑初心者のわたし達が気になるようで私たちの作業を見守りつつ、親切に色々と教えてくれます。お話好きなところも可愛い。
鍬(くわ)の使い方や、お父さんが持っているおすすめの道具の紹介など。実際に使わせてもらったのですが、刃が半月状になっている立鎌がよかった!あまり力を入れなくても草刈りができる。
先端が尖り、三角になっているこの道具は「三角ホー」と呼ばれる持ち手が長い草刈り鎌。力が一点に集中しやすいので、50坪の畑を手作業で整えるには非効率かもしれません。ただ太く根が強くはった雑草を狙ったり、背の低い雑草に対して、刃を横に滑らせるようにして刈るには便利。
草刈りを進めると、前の方が残した農作物が出てくる。ジャンボニンニク、赤じゃが、ニラなど。お宝探しのようで楽しい。おまけに掘れば掘るほど、うどんのような太さのミミズが。いい畑だなと思います。2年間、人間の手が介入しなくても、虫や、自然や、植物は見えない中で生きていたんだなと思います。なるべく殺さないように掘りますね。
突然の大収穫
お父さん「なす、きゅうりとっていきなさい。収穫してみたいでしょう」と、畑に案内してくれました。
今は小さいきゅうりでも、明日には収穫サイズまで大きくなるらしいのです。ズッキーニの成長もとても速いとか。その成長速度、一体どこから?
つるなしインゲンは、強風が吹くと節からポキっと折れ全滅しやすいそう。写真はつるありインゲン。つるが勝手に巻き付いて風にも負けにくい。
動物の足跡。お父さん「野うさぎだよ」と。
なすも収穫。採れたては艶々でそのまま頂いても美味しそう。
ジャガイモまで収穫させていただきました。ジャガイモといえば、マット・デイモン主演のSF映画「オデッセイ」を思い浮かべずにはいられません。植物学を学んで有機肥料でいつか育てるんだ。
ジャガイモはトマトの仲間だって知っていましたか。実はトマトのような形をしています。面白いですね。土がいいのか、巨大なジャガイモがごろごろ出てくる。お父さんが言うには馬糞を混ぜているとか。
夕食のメインディッシュは採れたての茄子と、いただいたピーマンで炒め物。牛赤身ミンチ、唐辛子、刻んだ大葉も入れて。大粒の麦味噌、醤油、みりんで味付け。
6月中旬。紫陽花が見ごろです。これを書いている今、仕事の関係で静岡県にいます。帰宅途中にそのまま工房に寄り、酵母を立て直して今週6/21(金)、6/22(土)の通常営業に備える予定です。今週もいいパンが焼けて、お客さまのもとに旅立ち、気持ちよく週の締めくくりができますように。