ハードパン・ドイツパン専門店せいわやの店主です。
2024年11月4日、船橋高根台で人と人をつなぐ秋のイベント「ふたのま」を開催いたしました。
▲イベントのチラシ
イベントの主な内容は3つ。
①せいわやでは午前・午後の2部制営業。パン、サンドウィッチ、コーヒー、ポタージュ、自然派 国産ワインの提供。
②2階のレンタルスペース(mimosa space)に在籍している講師の方々によるヨガやワークアウトのワンコインレッスン。
③野外の飲食店スペースで近隣の人気飲食店が出店し、フード&ドリンクメニューを楽しめる。
という内容。
また、有名イラストレーターの方をお招きし、LIVEペイントを描いて会場を盛りあげていただき、似顔絵屋さんまで対応してくださいました。
せいわやでは過去最高の来店数となり、レジが落ち着いて外の様子を伺いに行くとたくさんの方で埋め尽くされている光景を目にすることができ大変感激しました。
イベント当日は多数のお客さまにご来店いただきまして誠にありがとうございました。
無事にイベントが終了しホッとしたのも束の間。早いもので年が明けてしまいましたが、イベント終了後にノートに書き留めていた「反省点からの学びメモ」を残しておきたいと思います。
ふたのまをふりかえると私個人の仕事に対しては反省点ばかりでした。12時間、休憩なしで焼き続ける体力の限界への挑戦(何やってるの?)
コーヒー、ポタージュ、ワインを初めて提供する。いつもの営業とは違う流れでスタッフに動いてもらい、サンドウィッチを提供する……etc。
いざ動いてみなければ、どんな結果になるかなんて分からないものですね。
まったくフロー通りに進まなかった
イベント当日、フローを全員分立てていました。
が、フロー通りにいくはずもなく。当然です。
普段の営業日が予定通りに進むのは、何度も同じ仕事をくり返しているからこそ「何に」「どのくらいの時間がかかるのか」のデータが取れているから。
逆に初めてのイベントがフロー通りに進むはずだと期待している方がおかしいのです。
とはいえ、せっかくのイベントだからと、せいわやが提供できる能力以上の物事をやろうとしすぎていたのも要因です。
フロー通りに進まないがために、
●ホイロ、オーブン渋滞が起きて焼成スケジュールが後ろ倒しに→余裕を持ってスケジュールを組むこと。1人でやるか、2人でかるかでもかかる時間が変わる。無謀な量なら焼成量を減らす。
●自家焙煎コーヒーの提供がほとんどできなかった→パン焼成のスケジュールがズレ、作業台があかず珈琲を淹れるスペースが確保できない。また、レジが予想以上に混雑しているのもあり人員を減らせないなど。
●オープン直前にサンドが出来上がった →サンド製造にかかる時間の把握ができていない。効率よく製造する方法が私自身、把握できていないため。
●漠然とした忙しさ繋がる→スタッフに共有すべき事項を伝えられず、混乱をまねく事態も。
という、ドタバタの状況に。
あらかた全体の流れができているだけでも進行が遅れている等の状況把握につながりますので、フローを立てて損ではなかったとは思います。
パンを焼成しながら他の業務をするのは難しい
レジはスタッフ2名、夫の3人体制。私は裏でパンを焼き続ける。ポタージュの注文が入ったら、コンロで温めているポタージュを注いで提供する、という流れを想定していました。
やはり目の前にあるパンが大切です。分割、成形をしている途中で離れられません。都合よくベンチタイム中に注文が入るわけもなく。結局、スタッフにレジをしながらポタージュ提供までしてもらうことに。
要領よく動いていただき大変助かりました。
パンを焼成しながら他のことをするのが難しいなら、簡単になる工夫。もしくはパンの焼成量を減らす。提供内容を変える、スタッフを増やすあたりが妥当な対策でしょう。
自家製酵母のサンドウィッチが早々に完売 もう少し数を増やすべきだったかも
自家製酵母パンを使ったサンドウィッチを午前の部に40食限定で販売。午前の部、整理券の中盤あたりで完売した記憶があります。
その後、お客さまの様子を見守りながらパンを焼いていると「サンドは終わりましたか?」「まだありますか?」などの声が。午後の部に切り替わっても、数件ご質問をいただきました。
日頃、自家製酵母のハードパン・ドイツパン専門で焼き、サンドウィッチを含めた調理パンはあまり店頭に登場しません。その反動か興味を持たれる方が多い印象でした。
もう少し数を増やすか、午後の部にもお食事系のサンドウィッチまたは調理パンを用意してもよかったかもしれません。
ですがパンだけではなく、具材まですべて自家製。用意できる数に限界があるのが悔しいところです。
休憩を入れないと作業効率が悪くなる
見出しの通りです。スタッフにではなく、私個人に対しての意見です。
長時間休まず作業をするのには慣れているものの、あまりにも長時間になると頭の回転が悪くなり、効率的に作業を進められなくなり、現場全体の進行の”ズレ”にも影響します。
フロー通りに進まなかったおかげで焼成スケジュールが後ろ倒しになり、休憩が取れなかった。心のゆとりがないままパンと触れ合う時間になってしまった。それだけで何かミスをしたわけではない。無事にいいパンが焼けました。
成功とも捉えられますが妙な焦りは新たなミスにつながり、全体の進行の遅れになり、私だけではなくスタッフの事故や怪我にもつながる恐れがあります。
さまざまな箇所に目が届くゆとりを、私が持っておくべきでしょう。また、いいパンを焼くには心にゆとりがないと難しい。焦りはパンとの対話の妨げになります。
次回もし機会があるなら焼成補助にスタッフを1人つけるか、焼成量を減らすか、余裕を持ったスケジュールを組むか、対策をとります。
見た目が似ているパンを複数焼かない
見た目が似ているパンを複数焼いたため、スタッフが見分けがつかなくなり混乱する場面がありました。
スタッフに起きるなら、混乱されたお客さまもいたはず。
分かりやすいものを焼くのも、お客さまだけではなくパンに対する愛、かもしれません。
「これ何パンだっけ」と思われながら食べられるよりも、「これは〇〇のパン」と認識されながら食べられた方がきっといいはずなのです。