むちゃ食い 非嘔吐過食を克服するまでの道のり (9)心の不調からくる過食は微量栄養素不足かも?

こんにちは、過食しがちな女性ほど栄養をとってほしいseinaです(@st_0905

先日、栄養と神経伝達物質に関するツイートをしました。

神経伝達物質とは「シナプス(切れ目)」と呼ばれる、細胞と細胞の間でやりとりされる物質のこと。

神経伝達物質のやりとりは、身体のあらゆる場所で起きています。精神面に影響が出るのは「脳内」です。

神経伝達物質のやりとりが行われ、脳を動かし、身体を機能させ、ココロにも影響を与えています。

脳内で神経伝達物質のやりとりが上手くできない、または過剰や不足がおこると、身体や精神の不調につながります。

なので、

過食が止まらないのは忍耐力がないからだ!

と、思っている方。栄養が不足し、神経伝達物質が働いていないから、食欲のコントロールできないだけかもしれません。

そこで今回は、

  • 神経伝達物質と心の関係
  • 栄養と心の関係
  • 栄養の重要性

これらを中心に解説します。

プラスαとして、摂取したい食品や、私が日頃飲んでいるサプリをご紹介します。

心に関わる4つの神経伝達物質

神経伝達物質は60〜100種類あり、ハッキリ確認されているのは20〜25種類と言われています。

その中でも、精神面と関係していると判明しているのが、4つの神経伝達物質です。

1. GABA 脳のなだめ役

GABA(ギャバ)とは、γアミノ酪酸を略した名称です。

「脳のなだめ役」とも言われ、主に興奮を抑える働きがあると言われています。

2.ドーパミン 快楽 意欲などに関わる

快楽、意欲、性欲、食欲、探求心に関わる神経伝達物質。不足すると、意欲や食欲低下が起きやすくなります。

反対に過剰になると、幻聴、幻視、妄想といった精神分裂症(統合失調症)の症状を引き起こすと言われています。

また、ドーパミンは快楽を感じる「報酬系」というシステムがあり、過食、アルコール、ギャンブル、買い物といった「快楽への依存状態」が起きることも。

「過食が止まらない」というときは、ドーパミン過剰になっている。もしくは、安定させる神経伝達物質が不足しているかもしれません。

3.ノルアドレナリン 脳を覚醒させる

交感神経を活性化させ、脳を覚醒させる神経伝達物質。意欲、活動、思考力、集中力に関わっています。

ノルアドレナリンが過剰になると、イライラ、攻撃的、怒りっぽくなり、交感神経の活性化による症状(動悸、不眠、血圧上昇など)が起こりやすくなります。

興奮状態の時に過食をしたくなるのは、副交感神経を優位にさせ「リラックスしたい」という身体の反応かもしれません。

いっぽう、不足すると意欲低下、うつ状態になることも。

4.セロトニン 身体と心を安定させる

身体とココロの調整役である、セロトニン。覚醒、睡眠、食欲、精神に関わっています。また、ドーパミンやノルアドレナリンの過剰な分泌を抑える働きも。

セロトニンが不足すると、食欲が増加し、不安感や悲壮感が強まり、パニックやうつ状態を引き起こしやすくなると言われています。

神経伝達物質はタンパク質+微量栄養素からできている

引用元:一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所より

ココロに関わる神経伝達物質の原料は、タンパク質です。

その他、神経伝達物質の合成・生成に関わる栄養素は、こちらの6つ。

  1. カルシウム
  2. ビタミンC
  3. ビタミンB群(B6,ナイアシン,葉酸など)
  4. マグネシウム

タンパク質が不足すると、原料が足りないため、神経伝達物質が上手く作れません。

タンパク質をとっていても、ビタミン・ミネラル(以下、微量栄養素)が足りなければ、神経伝達物質の合成・生成がうまくいきません。

憂鬱な気分、元気が出ない、やる気が起こらない、イライラする、不安感が強まる、ワケもなく悲しくなる.....。

ココロの不調を「食べる」で解消しやすい方であれば、過食をしても不思議ではありません。

セロトニンが生成できなければ、眠りに関係するメラトニンが分泌しにくくなり、不眠がちになるかも(図の右側を参照)

タンパク質がとれていればいい、微量栄養素だけがとれていればいい、わけではないんです。トータルバランスが大切です。

▲タンパク質の大切さはこちらの記事にまとめています。1日の最低摂取量は「体重×1g」です。

6つの微量栄養素と心はどんな繋がりがあるの?

1.カルシウム

カルシウムは骨を強くするイメージがありますが、役目はそれだけではありません。

血液や細胞内に存在し、ホルモン分泌や筋肉の収縮に関わるだけではなく、記憶や感覚を伝達する、脳の神経伝達に関わっています。

また、摂取したタンパク質を分解し、神経伝達物質の生成に関わる酵素を活発化させる働きがあると言われています。

2.ビタミンC

コラーゲン生成、疲労回復、メラニン色素の生成を抑制、ホルモン分泌に関わるビタミンC。

神経伝達物質の生成に関わる酵素を活発化させ、ノルアドレナリンの合成を促進する働きもあります。その他、鉄の吸収率をあげる働きもあります。

3.ビタミンB群 

ビタミンB群には、B1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンB12、葉酸があります。

どれもエネルギー代謝(ATPと呼ばれる身体を動かすエネルギー源を作る)とアミノ酸代謝に関わる、重要な栄養素です。

ビタミンB群の中でも、神経伝達物質の合成・生成に関わっているのがビタミンB6、ナイアシン、葉酸

別名「神経ビタミン」とも呼ばれているそう。

4.マグネシウム

骨に50〜60%存在するマグネシウムは、筋収縮、血圧調整などのほかに、神経伝達物質の調整にも関与しています。

また、セロトニンからメラトニンを生成する過程で、神経伝達物質の生成に関わる酵素を活発化させる働きがあるといわれています。

5.鉄

鉄は血中のヘモグロビン内に存在し、酸素を運ぶ役割があります。不足すると、動悸、頭痛、肩こり、めまいといった「貧血症状」が出ることも。

また、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンを生成する過程で必要な栄養素なため、鉄不足が起きると、意欲低下、うつ状態、イライラなどの精神面に支障をきたす可能性が高まります。

女性の場合、月経があるので鉄不足が起きやすい状況です。また、無理なダイエット、激しい運動はさらに鉄不足を悪化させるでしょう。

6.銅

鉄はヘモグロビン内に存在し、体内の酸素を運ぶ役目がありますが、銅はその働きを補助する役割があります。

その他、ノルアドレナリンの生成に関与しています。

それぞれの栄養素をみると、「どれも摂らなきゃ!」となりますよね。

栄養を知ったところで、次は食品です。何にどの栄養が含まれているのか、みていきましょう。

亜鉛も大切なミネラル類

カルシウム、マグネシウム、鉄、銅と同様、重要なミネラルの亜鉛。シナプスでの神経伝達物質の受取りに関わっている、調整役です。


不足すると、神経伝達物質の調整ができず、学習記憶、味覚障害が起きることも。また、ヘモグロビンの合成にも関係しています。

栄養別 積極的に食べてほしい食品リスト

<カルシウムが多く含まれる食品>
→干しエビ、煮干し、こんにゃく、パルメザンチーズ、えんどう豆、ゴマ、ケールなど

<ビタミンCが多く含まれる食品>
→アセロラ、ケール、キウイ、パプリカ、ブロッコリーなど

<ビタミンB6が多く含まれる食品>
→マグロ、レバー、秋刀魚、にんにく、バナナ、じゃがいも、ピスタチオ

<ナイアシンが多く含まれる食品>
→マグロ、カツオ、レバー、鶏むね肉、ピーナッツ、舞茸、かつお節など

<葉酸が多く含まれる食品>
→岩のり、レバー、ほうれん草、アスパラガス、納豆、卵など

<マグネシウムが多く含まれる食品>
→あおさ、わかめ、昆布、ひじき、煮干し、アーモンド、カシューナッツなど

我が家では乾燥わかめ、煮干しの粉末、とろろ昆布を常備し、お味噌汁に入れています。

入れるだけで栄養素がプラスできる食材は、揃えておくと忙しい時でも簡単に栄養をプラスできるのでおすすめ!

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その他、干しエビ、のり、塩昆布、あおさなど。入れるだけで栄養がプラスできる食材は、準備しておくと便利です。

<鉄が多く含まれる食品>
→レバー、牛肉、豚肉、卵、いわし、さば、マグロ、カツオ、あさり、納豆など

<銅が多く含まれる食品>
→ほたるいか、レバー、ピュアココア、干しエビ、湯葉など

ピュアココアにエリスリトール(ゼロカロリー甘味料)を少し入れてお湯で割り、手作りココアにして飲んでいます。

ちょっとした小腹が空いた時のおやつにもいいですよ!

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食べるものがたくさんあって大変だと感じるかもしれませんが、そんなに難しくはありません。

  • 肉類
  • 魚介類
  • 豆類
  • 種子類
  • 海藻類
  • 野菜類
  • 果実類

この辺りを満遍なくとれるように、日頃の食事に組みこむと、必要な栄養素を補えるはずです。

▲食材の選び方はこちらの記事から

不足しがちな栄養素はサプリメントに頼って

栄養とココロは関係しているとわかったけれど、

仕事が忙しい
料理をする時間がとりにくい
そもそも料理が苦手

という方もいるのではないでしょうか。

そういう時は、サプリに頼るのもあり。ダイエット中出会ったり、よく運動をする習慣がある方は栄養を消費しやすいので、補ってあげるといいと思います。

食事から栄養をとるのが基本。サプリはあくまでも補助なので「サプリを飲んでいればいい!」わけではないので注意

では、私が普段服用しているサプリを紹介します。

▲ビタミンC、マグネシウム、ビタミンB群、ナイアシン、鉄、亜鉛、ビタミンDです(ビタミンEはお休み中)

価格によって選ぶメーカーは変わりますが、利用するのが多いのはこちらの3社。

  • Now Foods(ナウフーズ)
  • California Gold Nutrition(カリフォルニア ゴールド ニュートリション)
  • Life Extension(ライフ エクステンション)

それぞれ、どこのメーカーを使っているのかご紹介します!

ビタミンC

California Gold Nutrition
Gold C ビタミンC 1,000 mg ベジカプセル 60錠

▲ビタミンCは1日3錠は飲むので、安くていい。60錠444円、240錠1442円と破格なのは嬉しい。

マグネシウム

Now Foods
マグネシウムカプセル 400 mg 180粒

▲Now Foodsは安い、ありがたい。

マグネシウムサプリにはカルシウム入りのもあるので、カルシウム不足がきになる方は、そちらのタイプを服用するといいかも。

ビタミンB群

Now Foods, B-50、100ベジカプセル

▲ビタミンB群はずっとNow Foodsを愛用。100錠で1000円以下って、どういうこと......。

ナイアシン

Life Extension
ビタミンB3ナイアシン 500 mg 100カプセル

▲ナイアシンはこちら利用するのが多いです。価格帯はLife Extensionが1番手頃かもしれません。

また、ビタミンB群のサプリにもナイアシンが入っているので、積極的に飲まなくても大丈夫。ナイアシンを増やすと、肌質が良くなる、メンタル安定しやすい体感があるので個人的に服用しています。

注意してもらいたいのは、ナイアシンを服用すると顔面紅潮、かゆみ、赤みが出ます。この症状が嫌な方は、ナイアシンアミドを服用してください。

California Gold Nutrition
フェロケル鉄(ビスグリシネート)、36 mg、植物性カプセル90粒

▲女性は鉄分が不足しやすいので、飲んだ方がいいと思います。疲れやすい、怠くなる、メンタルが不安定、減量中の方は常備するといいかも。

亜鉛

Life Extension
亜鉛キャップ 高効力 50 mg 90粒(ベジタリアンカプセル)

▲亜鉛、食事からとりにくいですよね。減量中で摂取カロリーを抑えているなら、なおさら。

亜鉛は、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅と同様に、神経伝達物質とココロに関わる栄養素のため、こちらもサプリで栄養補助をしています。

ビタミンD

California Gold Nutrition
ビタミンD3,50mcg(2000IU),フィッシュゼラチンソフトジェル360錠

▲ビタミンDもココロの安定に欠かせない栄養素。

ビタミンDは日光を浴びる、または食品から摂取できます。しかし、紫外線をさける生活をしているのと、食品からだと必要量を満たしにくいため、サプリで摂取しています。

日光不足になる冬は、ビタミンDが不足することで「冬季うつ」を発症しやすいそうです。

サプリは一気に飲んだり、空腹時に飲むと気持ちが悪くなることがあるので、飲み方には注意してください。

以前、サプリを飲み忘れ、空腹時に飲んだら胃がムカムカして大変だったことがあります。

  • 食後に飲む
  • 小分けにして飲む

と、飲み方に気をつけたら、気分が悪くはなりませんでした。小分けにすると吸収率も上がりやすいので、朝昼晩とわけて摂取してみてくださいね。

過去の過食克服記事

(8)食材選びは生鮮食品 高栄養 継続の3つに注目しよう

(7)過食を治しながらダイエットするなら2000kcal摂ろう

(6)「タンパク質」は過食克服の鍵になる

(5)どんな食事にすればいいの?

(4)過食克服したいなら我慢はやめよう

(3)カロリー不足×加工食品は最悪の組み合わせ

(2)食事・睡眠・運動を整えよう

(1)過食の始まりから克服まで

記事の補完に使用した参考文献

こころ検定4級テキスト

医療法人社団ハートクリニック

一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所

腦の栄養不足は大丈夫?「生命と微量元素」講座

日吉心のクリニック