ペスカトリアン生活を続けているseina(@st_0905)です
魚は肉よりも少し値は張りますが、魚の美味しさに目覚めてしまい、ストレスなく肉を減らせています。
前回はベジタリアン、ヴィーガン、ペスカトリアンなどの食事法をまとめ、ペスカトリアンを取り入れているとお話をしました。
今回は、なぜペスカトリアンになろうと思ったのか。その理由をまとめます。
▲前回の記事はこちらです
ペスカトリアンをおさらい 肉類は避けるけど魚 乳製品 卵は食べる
ペスカトリアンとは、肉類を避け、動物性食品は魚 乳製品 卵からとる食事法のことを指します。
その他食べられるものは、野菜 果物 穀物 芋類 豆類 きのこ類 海藻類など。私の場合はペスカトリアンの食事に、加工食品や精製度の高い食品を減らし、野菜や果実は皮ごといただくなど、ホールフードの要素もとり入れています。
そのおかげか、満腹感と満足感はあるのに、自然と痩せていくんです。中学生ぶりの体重になりました。
では、どんな食事をしているのか、簡単に紹介します。
▲メカジキのバジルソテー、焼き野菜
▲オートミール雑炊、アボカドとツナのサラダ
▲シーフードカレー、ライ麦パン、鰤のソテーとサラダ
▲もちろんお米も食べます。寝かせ玄米、鰹のタタキ、具たくさん味噌汁
野菜の摂取量が多く、1日500g〜600gは食べています。1日2食の生活なので(痩せるためではなく、朝は空腹でいるのが好きなので)1食あたり野菜は250g以上、という計算になります。
▲夫は1日800gも食べているとか
▲精製度の高い食品は控えると言いつつも、パスタも時々食べます。
新しい食事法を試して、ストレスになるのはよろしくない。小麦製品を食べたい時は、素直に食べます。
ゆる〜くね!
さて、本題のなぜペスカトリアンになろうと思ったのか。
単純に肉よりも魚が美味しく感じてきたのもありますが、そのほかに重要な3つの理由があります。
ペスカトリアンになろうと思った3つの理由 健康 家畜 環境のために
1.加工肉に発がん性を高める懸念がある
2015年 国際がん研究所(IARC)から、加工肉は人に対して発がん性がある。赤身肉にはおそらく発がん性があるだろう、という情報が発表されました(*1)
また、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究グループでおこなった、赤肉・加工肉摂取量と大腸がんリスクについての研究結果が出ています。
研究対象者は、45〜74歳のガンや循環器疾患の経験がない約8万人の日本人です。追跡期間は1995、1998年〜2006年まで。
追跡期間中に1,145例の大腸がん(結腸がん788人、直腸がん357人)の発生が確認されました。肉類全体及び赤肉・加工肉摂取量で5分位に分け、結腸・直腸がんのリスクを比較しました。
その結果、肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で男性の結腸がんリスクが高くなり、赤肉の摂取量が多いグループ(約80g/日以上)で女性の結腸がんのリスクが高くなりました。
引用元:赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
一方で、情報過多な時代。
「むしろ赤身肉を食べないと、健康になれない」という情報もあります。
どちらの情報が正しいのか勉強をしながら見極め、どちらの情報にも偏りすぎない中立的な立場で、物事を考えていきたいです。
▲詳しい研究内容はこちら
2.ホルモン剤を使用し肥育された畜類を減らしたい
カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでは、牛や豚の成長を促すために、肥育ホルモン剤を使用して肥育されています。
1960年頃の日本では使用されていましたが、1998年には製造・輸入が中止。1999年には廃止。現在の日本では、家畜に対してホルモン剤を投与は禁止されています(*2)
しかし、肥育ホルモン剤を使用して育てられた食肉の輸入は認められています。食肉にホルモン剤が残留していないか輸入時に検査をおこない、基準値を下回る肉は問題ないとされ、輸入しているのが食肉の現状です。
つまり、ホルモン剤の残留は完全にゼロではない、ということ。もちろん、ホルモン剤が残留した肉を食べても健康に害はないと言われていますが、個人的には心配。
また「早く食肉にしたい」という人の勝手な理由で、ホルモン剤を投与して肥育する畜産業の実態にも疑問を持たずにはいられません。
3.食品廃棄物量が多い日本 捨てられる命を減らしたい
環境省によると、平成28年度の国内の食品廃棄物量は年間2758万トン。
このうち食品ロス(まだ食べられるのに廃棄された食品)は643万トンにも及びます(*3)
2009年度のアメリカの食品廃棄物量は、5540万トン。フランスは2210万トン。2011年度のドイツでは1100万トン。先進国は食品廃棄物が多い傾向にあります(*4)
ペスカトリアンになろうと思った理由の中で、もっとも胸に引っかかるのがこの「食品廃棄物量の多さ」です。
私の夫は、環境保全の仕事をしています。
私もアルバイトとして、時々、夫の出張先に同行します。夫から話を聞き、食品系の工場や食品リサイクルの工場を見学させてもらう中で、人が捨てるゴミの多さに、驚愕せざるを得ない状況を目の当たりにします。
しかも、まだ食べられる食品ばかり。それをドサドサと捨てる。素人がみても「いつか人間はバチが当たるだろうな」と呟きたくなるほどの量なのです。
食品廃棄物の多さをみて思うのは、人が”ゴミ”と呼ぶものの中に、本来食べられたであろう動物性食品はどれだけあったかです。命をいただくから「いただきます」なのに、当たり前に食べて、当たり前に捨てている現実。
また、日本での話ですが、豚の飼料の一部に液体飼料(リキッドタイプ)があります。
その液体飼料の原料に、人が捨てた食品廃棄物を混ぜこんで作ることもあるそう。どんな食品を飼料に混ぜるかは、よい肉を作るために、栄養バランスを考慮しながら厳密なルールがあるようです(痛んでいない、添加物が少ない、肉類ではないなど)
しかし、ゴミを減らすために家畜の飼料にも回している。
育てた家畜や、育てた家畜からでる動物性食品(乳製品、卵)をどんどん捨てる。そして家畜に回す。
本当にそれでいいのでしょうか。
肉を食べない一歩が大きな変化をもたらすかもしれない
生活しやすくするため、美味しいものを食べるため、便利すぎる世の中になりました。
コンビニは24時間、スーパーも夜遅くまで開いています。手軽に買える動物性食品といえば、肉が挟まったサンドイッチ、唐揚げ、メンチカツ、ハンバーグ、冷凍餃子など。美味しく、安く、品質の良い食品が簡単に手に入ります。
食品の在庫がなく買えない状況は、台風の襲来時くらいでしょう。
こうした「いつでも食べられる、いつでも買える」利便性を高めた結果、食品廃棄物量が膨大な数字になっている。そして余った食品廃棄物を処理するために、さらに資源を消費し、コストもかかっている。
肉類を食べないのは、自身の健康のためでもあります。しかし、ホルモン剤の投与で肥育された家畜を減らし、無駄に捨てられる動物たちの命も減らし、食品廃棄も減らし、遠回しに環境保護にも繋がるかもしれない。こうした可能性もあるのではないかと。
たった1人の人間が行動を起こしたところで、何も変わらないかもしれません。
毎日100gの肉を食べていたとして、年間に換算すると36.5kg。1年間 肉を食べずにいても、牛1頭分にも満たない重量にしかなりません。
でも、行動を起こす人が増えれば、50kg、100kg、500kgにもなる。人が集まれば大きなパワーになり、変化を起こすと信じたい。
やはり誰かの一歩が必要です。
また、食物連鎖の中で1番トップにいるのは人間です。動物を殺すのも生かすのも、人間の行動ひとつで変わってしまう。人間は弱いものの命をコントロールできる、強い存在でもあります。
であれば、命を守るパワーも持てるはずではないでしょうか。
他者を批判 強制する ストレスになるのは間違い
自分の意思で、肉を食べない選択をしました。
理由を書きつづり、時折「命が」などと言うと、宗教チックな雰囲気が出てしまい、怪しまれるかもしれません。
ですが、私が肉を食べないからといって、肉食をしている人に対して批判をしたり、「肉を食べるな」と強制はしません。
したいことだから、行動する。それだけです。
例えば、外食でどうしても肉を食べる必要が出たら、有難くいただきます。付き合いでシュラスコや焼肉に行くことになったら、ぜひとも参加します。今のところこうは思いませんが、「お肉食べたいな〜」と思ったら、少し高い肉を買い、美味しさを楽しむでしょう。
肉を食べない、ペスカトリアンをはじめた。
ここで間違ってはならないのでは、誰かを批判したり、強制をして価値観を押し付けること。本当は食べたいのに我慢をしてストレスになるのも、何だか違いますよね。
新しい食事法は「新しい食事法」だけであって、他人や自分の生活を脅かすことではないように思います。
今後は海外メディアやブログ運営のみならず、微力ながら動物愛護、環境汚染、食品廃棄物にも興味が出てきました。
自分の健康だけではなく、命や環境を守る活動もしていきたいです。そんな決意表明でした。
参考文献
*1 赤肉・加工肉のがんリスクについて|国立がん研究センター
*2 牛や豚に使用される肥育促進剤(肥育ホルモン剤、ラクトパミン)について(Q&A) |農林水産省